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Manabu Numata - Photographer

沼田 学 - 写真家

【Profile】

北海道生まれ
大学留年決定後退屈だったので写真撮りはじめる。はまる。2003年フリー、現在に至る。
〔個展〕

2009年 「指名アリ」(新宿眼科画廊/東京)
2006年 「鉄割」(青山上海倶楽部 / 東京)
2000年 「極楽鳥」(コニカプラザ / 東京)
1999年 「インド路」(コニカプラザ / 東京)
グループ展多数

http://manabunumataphotos.tumblr.com/ 

http://www.fractionmagazinejapan.com/jpne/cn52/pg456.html

 

being energetic stories of Manabu Numata 沼田 学の『元気ばなし」

西荻窪、のらぼう

「ぬまたくん、とにかく美味しくて素敵な店があるんだけど行ってみない?」

そのころ同じく高円寺にすんでいた友人が、独立し肩肘はりながら働いていた僕を誘ってくれたのがこの店を知ったきっかけだ。8年前くらい。

西荻北口から5分くらい歩いた角をまがった住宅街にそっとお店はあって、気のおけない友人や親戚の家の夕食に呼ばれていくみたいな感じだ。

 

店主のマキオさんはたまにしかこない僕らみたいな客もちゃんと憶えていて、元気にしてました?とか、今日はコレが絶対おすすめですよと声をかけてくれる。

 

いつも頼むのは地野菜と豆腐のサラダ。

毎朝、マキオさんが畑で摘んだ野菜に、ジャコ、素揚げのレンコン、トマトが散らされている。新鮮な野菜の香りがふわりとして、胡麻ドレッシングの風味に負けてない。美味い。

 

つぎ。豚肉と白菜の蒸しもの。

わー、こんな味を主張する白菜食ったこと無いわ~。とにかく甘い。

 

最後に必ず頼むのはベーコンとアボカドの炊き込みご飯。

それ絶っ対あわないだろ~!と思うんだけど、ベーコンの香ばしさがほっこり熱々のアボカドを包んで野菜というより芋とか栗の食感になっている。

これ絶妙に合うんです。

 

料理人が自分で地元の食材を選び、一番の鮮度のままシンプルに出してくれるということ。

ことさら無農薬とか前に出さない、さりげない感じもいい。

 

そして、のらぼうにくると、いく度になんだか面白い感覚にとらわれる。

席について食べてるだけなのに、昔のこと思い出したり、遠く離れた場所に気持ちが一瞬飛べたり。

これってなんだろうと思ったんだけど、そうだ、これは忘れかけてたけど実家に居たかんじにすごい近いんだ。

 

僕の田舎は北海道なんだけど、子供の時分、庭の家庭菜園で作ったトマトやきゅうりや白菜を料理バサミ片手にサンダルつっかけて、よく採りにいかされた。

西荻にいるのに故郷のことをふと思い出す。記憶の引き出しが開くこの感覚。

このお店のゆったりした雰囲気やとれたての素材でできた旨いご飯のせいだと思う。

 

頻繁に行く店ではないけれど、皆かならず笑顔で家に帰ることのできる店で、そして次も、自分にとって大切な誰かをつれて来たくなるのだ。
 

『たべごと屋 のらぼう』月曜定休 *要予約 住所:杉並区西荻北4-3-5  Tel:03-3395-725

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